第三章・ナイフの種類


シースナイフとフォールディングナイフ
一口にナイフといっても色々な種類があります。
それは目的としている用途に応じてさまざまなバリエーションが用意されているからで、一概にどのナイフが良いのか決めるのはなかなか出来ません。 
ですから自分がナイフを購入しようとした場合、目的をハッキリさせておく事はもちろん自分が持ちやすく手に馴染むものを選定する事が大事です。
 ナイフの種類には大まかに二種類のものがあって、ナイフ本体と手に持つ柄(つか)が一体化していて、
鞘(さや=英語名 シース)に納めて使用する「シースナイフ」と、刃の部分が折りたためるようになっている「フォールディングナイフ」があります。
特徴としては「フォールディングナイフ」は折りたためる構造上ポケットに入れて持ち歩ける手軽さがあります。 
逆に「シースナイフ」は柄の部分まで刃の鋼材が一体となっているので、頑丈で壊れにくいというのがあります。
どちらが良いかは一長一短ですが、登山で太いザイルを切るとか、動物相手に狩をするとか、信頼性と丈夫さを重視するならば
「シースナイフ」が良いでしょう。 しかしそれ以外の一般的な用途では「フォールディングナイフ」でほぼ用事は満たされると思います。


◆ブレード(刃体)形状
また刃の形状も様々で、ブレード全体が刃になっているもの・刃の部分にのこぎり状(セレーション)の切込みが入ったもの同じ型名のナイフでも
ブレードタイプの異なるナイフを販売している場合が多くあります。

図・ブレードタイプ

図にある直刃タイプのものはもっともオーソドックスなナイフに良く用いられ扱いやすい刃ともいえます。 
半波タイプのものは柄に近い方にのこぎり状の切れ込みが入っています。 全波は文字通りブレードの刃の部分全体に切れ込みが入っています。
こののこぎり(セレーション)部分の用途としてはロープの切断など、固く切りにくいものに切断というよりも傷をつけながら
切って行く場合に有効なものです。ですからあまり一般的でない全波タイプのものは、救助隊などロープや衣類を切り裂く事の
多い職業の人たちが好んで使用します。なおナイフとしてはデザイン的なよさから半波タイプのものがもっとも人気が高いのですが、
セレーションがあることにより柄に近い部分の刃は繊細な取り扱いが難しくなります。 
例えば鉛筆を削る、果物の皮を剥くというような取り扱いが厳しくなる・本来の切刃の部分は突き刺すくらいしか
用を足せないという問題もあり、道具としてのナイフの用途を考えると直刃の方がもっとも自然ではないかと思います。

◆両刃・片刃
刃物で言うところの両刃・片刃とは二つの意味を表す事があり、時として紛らわしい名称でもあります。 ひとつはブレード(刃体)の両側に刃が
付いている剣と片側についている日本刀のような形を表すもの。 そしてもう一つは刃先の刃の付け方を表すものの両刃と片刃…
ここで言うところの両刃・片刃とは刃先の刃の付け方を意味します。
両刃とは刃先がブレードの左右から刃角で刃を付けられたもので、刃の中心に切先があるのが特徴です。 
また片刃とはブレードの片側より刃角で刃を付けたもので、刃の中心はブレードの右もしくは左にあります。 
この片刃のものは刃の取り付け位置の違いにより右利き用・左利き用とがあるのも特徴です。

図・両刃、片刃の違い

 どちらが良いかについては用途によって違いがあるため一概に言えませんが、両刃の方がブレードの中心に刃があるため取り扱いが楽です。 
また、実際に切る際には刃が対象物を対象に押し広げる形に食い込んでいくという事から、切断・切り裂くという用途に適しています。
 片刃はどうかというと、ブレードの左右どちらかに刃があるので切断という用途に使用するには慣れが必要です。 
ただし、実際に切る場合には対象物に対して刃体は直角に進む事になるので、削る・削ぎ落とすといった用途に適しています。 
ですから、片刃の刃物といえばノミ・カンナといった木を正確に削るための道具や、和包丁(刺身包丁・出刃包丁)などのように切る対象物を
直角にまっすぐに切る必要がある刃物に使用されます。
 また、刃付けした際の刃角が同じならば片刃のほうが刃の片面が平面であるがゆえに、鋭利な刃が付くという特徴があります。 
逆に両刃の方は刃の肉厚が厚くなるので刃の耐久性で勝るという特徴があります。

図・両刃、片刃切刃の力の方向

◆自分にあった刃体長を選ぶ
実際にナイフを購入する場合、自分の目的と自分の体格・手の大きさなどが多分に絡むので一概に言えません。 
ただアメリカ人が一般に4インチ前後(約10cm)のブレード(刃)が扱いやすいと言われているのに対して日本人は一般に
3インチ(7.5〜8cm)が使いやすいといわれているのでこれを参考にするのも良いでしょう。 
ちなみにアメリカのナイフメーカーでは3インチ前後のブレードのものはミニサイズといわれるナイフがこれに相当します。

形状についてはナイフの用途に応じて様々なものが出ていますので、自分の目的に合ったものを選ぶのがベストです。 
ただ、大は小を兼ねるがごとくおたら大きなナイフを選ぶのは考え物ですし、逆に小さすぎるのも取り扱いで苦労します。 
もっとも良いとされるのは自分の手になじむ大きさのものに加えて、セカンドナイフとしてそれよりも小さなナイフを持つのが
良いという意見もあります。 逆に大きなものは…というと、ジャングルでブッシュをなぎ払うとかしないなら大型ナイフが
必要な用途は包丁や鉈(なた)といった大物刃物で代用できるはずです。

また、ナイフコレクターの方でよく、映画「ランボー」で登場した、ブレードが20〜30cm位あるようなセレーション付きの
大型のコンバットナイフを収集する方がいます。 しかしもともとこの手のナイフの由来は家畜を食肉用に殺すためのブッチャーナイフが
前身で人・動物を殺すため以外にはあまり使い道の無いナイフでもあります。 
観賞用等で購入するのは自由ですが、実用品として購入するには無理のあるナイフであるともいえます。